2018年2月12日月曜日

インターネット・ネイティブの世代

3日前にまったく面識のない関西の司法書士から電話が来ました。
「区画整理について教えて欲しい」とのことでした。
受託した業務が区画整理実施区域内の不動産だったようです。
そして、その日の夕方に打合せがあるようでした。

その方は、ネットをかなり調べたようですが、明確な答えにたどり着かずに困っていたようです。
私は日本司法書士会連合会のe-ラーニングで「土地区画整理事業に伴う登記実務」を講義しているので、それを見て私に電話をしたようです。
余程切羽詰まっていたのでしょう。
見ず知らずの私に電話するのですから。
もちろん質問には答えました。

余計な事ですが、その方には「プロはネットで調べてはいけません」と言いました。
「今回の件で更に疑問が生じたら、また連絡ください」とも付け加えました。

ネットの書き込みを調べてるとおおよその正解に近づくことはできると思いますが、その答えに誰も責任を持ってくれません。
なおかつ、私達プロの仕事に「おおよその正解」は有り得ません。
残りの1%でお客様に不利益が生じ、それによって訴えられることもあります。

ネットの書き込みの断片を拾い集めただけで100%の業務はできません。
もちろん、LECや東京法経などの受験本も受験に特化した本ですから、プロになってからは根拠にはなりません。
経験則だけでもダメです。
特に区画整理は事業によって性格が異なります。

結局は法令がすべてですが、それらの立法趣旨を理解できずに、条文を読みこなすことは難しいかも知れません。
まだそれができないうちは、さっさと先輩に教えてもらう方が良いでしょう。
少なくても、その答えには先輩が責任を持ってくれます。

プロの世界にもインターネット・ネイティブ世代が増えてきたようです。
皆そこそこ分かったようなことを言いますが、逆に本質が分かってない人が増えたようです。

ネットでなら素人でも調べられます。
ネットでも調べられないレベルの知識を持っているから専門家なのです。
そして仕事が来てから調べるのではなく、どんな仕事が来ても事前に勉強しておくのがプロの専門家です。

分からないのなら、火傷する前に私に質問して結構です。
答えとともに勉強方法も教えましょう。