2016年6月16日木曜日

防災の一番の敵は、根拠のない安心感から生じる無関心

本日(6月16日)午後2時21分ごろ、北海道の内浦湾を震源とする地震があり、震度6弱の激しい揺れを北海道函館市川汲町で観測しました。
また、震度4の揺れを北海道の七飯町と鹿部町、青森県の大間町と風間浦村で、それぞれ観測しました。
このほか、北海道と青森県、岩手県、それに秋田県の各地で震度3から1の揺れを観測しました。
この地震による津波はありませんでした。


マグニチュードは5.3、震源の深さは11キロとのこと。(以上NHKより)


今の時点(同日16時40分)では被害の概要がわかりませんが、とにかく気をつけてください。
東日本大震災の際にも熊本地震の際にも申し上げましたが、これで終わりではないかも知れません。むしろ、東日本でも熊本でも、後日発生した余震による被害も大きいものでした。
函館を中心にした今回の地震の地域は、しばらくの警戒を解かないようにお願いいたします。



東北でも熊本でも、私も含めて住民は、「街を壊滅させるような大きな地震は来ない」という根拠のない安心感に満ちていました。
熊本にも「大地震は起きない」という伝説がありました。
東日本大震災が発生したときは、東北で「想定外」という言葉が多く聞かれました。

私も、阪神淡路大震災など他所の地震に関する情報について視察もしたし、学術的な興味で勉強もしていましたたが、どこか現実感を伴ったものではなかったようです。

そんな私が、東日本大震災の際には、偶然にも支援を受ける側の窓口になりました。
その環境で様々な経験と勉強をいたしました。
それを期に、私は反省して、それ以来細かなニュアンスを全国に伝える役として動いています。

「『地震がまた来るかも知れない』と、鈴木はいつも縁起でもないことを言う」とおっしゃる方もいると思いますが、「地域や仲間や家族やそして自分を守りたかったら、災害に対する備えは科学的最悪の想定で良い」と思っています。

日本列島に住んでいる限り、地震の無いところはありません。
活断層も全国に到る所に有ります。
熊本も安全な地ではなかったのです。

「防災の一番の敵は、根拠のない安心感から生じる無関心」です。

函館をはじめとする今回の地震の地域の被害が少ないことをお祈りいたします。