2015年12月6日日曜日

「開業は失敗する」と言われたSさんへ

Sさん
先輩から「あなたの開業は失敗する」って言われたのですか。
それはショックでしょうね。
不安になりますね。
開業の予定だったのに、二の足を踏むことでしょうね。

いろいろ迷ったり悩んだりする気持ちは分かります。
でもね、Sさんの将来に関する方向は誰も決めてくれません。
自分で決断しなければなりません。

自分で個人事務所を開業するのだから、リスクがあるに決まっています。
個人で開業することは「絶対に大丈夫」なんて仕事ではありません。
そこが嫌なら「仕事ができる補助者」として給料をもらっていた方が良いでしょう。
これを自分で決めることができなければ、やはり独立開業は止めた方が良いでしょう。

でも、Sさんはそれを私に伝えて、私に何を求めているのですか?
「先輩はそう言っているけれど、あなたは絶対大丈夫だよ」って言葉ですか?

「開業は失敗する」と言っているその先輩が、逆に「あなたの開業は成功する」と言ってくれたら満足ですか。仮に「成功」と言ったとしても、その先輩は最後まで責任を持ってはくれませんよ。
私だって、Sさんの人生に対して責任があるから「絶対」とまでは言えません。

でも、私はいつも「仕事ができるようになったら大丈夫」と言っています。
もちろん「仕事ができる」ということは、各々定義が違うかも知れませんね。
お客様のためという観点で「仕事ができる」ということは、単に「登記法を知っている」とか「測量ができる」とかのレベルではないですから。その部分だけなら補助者もできます。
そこは私の研修を聞いたことのあるSさんなら分かるでしょう。
その上で、Sさんは「一通りの業務はこなせる自信はあります」って言ってますよね。
それでも迷っているのですか?

各事務所は各々の哲学とノウハウで経営されています。
Sさんの先輩は存じ上げませんが、先輩と私はまったく違うタイプかも知れません。
その先輩は、もしかしたら私の開業にあたっても、私に向かって「失敗する」と断言したかも知れません。

誰に何を言われても、それはヒントにはなっても結論ではないはずです。
私の事務所は潰れていません。成功かどうか分かりませんが、少なくても失敗はしていません。
すべては自分で判断しなければなりません。
それも個人事務所開業の必要能力であり適性なのです。
この能力は先天的な部分もあるでしょうが、意識を持っていれば後からでも身につくものだと思っています。

自分の事務所を開業し、経営判断をしていくということは、そういうことなのです。