2015年11月18日水曜日

研修会配布資料を考える

このブログ、研修会講師ネタをもう少し書かせてください。

研修会には「研修レジュメ」と言われる配布物がつきものです。
基本的に「レジュメ」と「研修資料」は意味が違うものですが、依頼者も混同されていることが多いようです。
「レジュメ」とは講義の要約であり「研修資料」とは要約とは限りません。
まあここは無理に定義付けするまでもないと思うので、「レジュメです」と言いながら、決して要約ではない研修資料をお渡ししています。

実は私の講義では、「事前予告」と「当日の講義」と「研修資料(レジュメ)」は全部別の役割を考えています。

依頼者の組織の通常の研修予告のやり方があるはずですから、私が事前予告をさせて戴けることは難しいのですが、可能な場合は文章で「問い掛け」をさせて戴きます。
それが難しければサブタイトルに思いを込めます。

新人研修
「この資格業を続けて良いか、迷っていますか?」
報酬研修
「この業務で30万円で赤字と言うあなた、それならいくらから赤字か言えますか?」
区画整理研修
「換地処分前に仮換地を売ることと保留地を売ることの法的違いは分かりますか?」
震災研修
「もし大地震が起きたらどういう行動をするのか、家族と約束事がありますか?」

たとえばこんな感じです。
何か書かれれば、当日までに少しでも問題意識を持って講義に参加して戴く可能性が高くなるはずです。この僅かでも問題意識を持って研修に出席していただくと、当日の研修効果はまったく違います。

当日の講義については、絶対に講師とスライドに集中して欲しいのです。
それなりの準備と計画によって講義を作っていますので。
だから配布した資料は当日使いません。
資料は後日私の研修を思い出すためのものと位置づけています。

その配布資料に何を書くかが難しいですね。
先日書いたようにスライドの縮小印刷を渡すことはありません。
先が分かる講義は、後で見ても良いと思って絶対に集中しなくなります。

資料は講義を思い出すためのキーワードがあれば良くて、書きすぎるとまた安心して講義を聴かないかもしれません。
何をどの程度書くか、この度合いが難しいです。

実際良くまとまった研修資料は、後で読めば全部分かると思って、結局棚に入れて勉強しなくなります。
私の場合、項目とキーワードだけを書いておきます。
手抜きの言い訳?

どちらにしても、後から見る気がしない研修資料ということは、資料の問題ではなくて当日の講義がダメだったということは間違いないでしょう。