2015年3月13日金曜日

震災と仙台法務局

仙台法務局の1階エントランスホールで「3.11東日本大震災特別展示」として
「震災と仙台法務局」という展示が開催されています。


震災により地図や登記や法務局そのものがどうなったのか、そして復興業務として法務局は何に取り組んできたのか、パネル展示で紹介しています。


震災で大きく土地が移動したことにより、地図がそのままでは使えなくなりました。
それらの地図を被害に基づいて優先順位を付け、次々に修正をしています。
以下の作業は土地家屋調査士の仲間もお手伝いをさせて戴いています。




緊急性や場所によって、街区単位で調査測量して街区単位修正図も作成しました。




流失等で滅失した建物については、登記官の職権により調査した上で滅失登記を完了しました。




震災により法務局の庁舎等にも大きな被害がありました。



特に気仙沼支局の庁舎は合同庁舎の2階と3階に入居していましたが、津波により2回まで水没しました。以下の写真の水面の窓は2階のものです。

ちなみに、この支局の周りに何軒かの土地家屋調査士の事務所もありました。
この大津波で残念ながら流失しました。



庁舎を襲う大津波により、多くの閉鎖登記簿や旧公図など紙ベースの大切な資料は水没しました。
これらの登記簿は、文書修復の権威である坂本勇先生(日調連顧問)を中心に、これらの文書を洗浄し、カビを防ぐために真空冷凍乾燥機で乾燥させ、一枚一枚刷毛で乾燥した汚泥を丁寧に掃除し、登記簿を再生させました。
当時私もその作業の一端を見せて戴き、感動した覚えがあります。

以下の写真はどうしても再生できなかった登記簿や測量図です。





これらの再生できなかった登記簿や図面が、裁判等で重要な資料になることもあり、少しでも失われたことはとても残念です。

しかし阪神淡路大震災の頃と違って、ほぼ全部の登記情報が電子データに書き換わっていたから被害が少なく収まったということも、同時に感じています。

他にも多くのパネルが展示されています。
3月20日まで展示されていますので、機会が有ったらご覧ください。