2013年11月21日木曜日

会議の方法 加筆

2011年5月25日のこのブログで、「私が考える会議の方法」について少し書きました。
2年以上前の記事であることと、最近会議の方法と、議事録の書き方について質問がありましたので、再度ここで「私が考える会議の方法」を書いてみます。

各土地家屋調査士会の理事は、各々の所属する土地家屋調査士会を、どこに持っていくかを議論するのが一番の使命だと思うのです。それなら一番重要な仕事は理事会等の会議のはずです。それなのに、どうも会議については、皆ウンザリしているようです。
意識の無い人は役員をやっていないでしょうから、ウンザリするとすれば会議の方法が悪いのかも知れません。ちなみに万が一、意識の無い人を役員に選んでいる組織があれば、それは選んでいる人にも責任があります。

さて、どうすれば会議がウンザリしないで、なおかつ効率良く議論を尽くすことができるか、これを考えてみましょう。
その際に重要なことは、過去の会議方法を一度疑ってみることです。皆さん、何も考えずに毎年ウンザリする会議を続けていませんか。会議の参加メンバーが替わっているのだから、今の参加者が納得する方法で運営すれば良いのです。

さて、会議のストレスは以下のようなものではないでしょうか。
・何を言ってもどうせ答えが決まっているんだろう。
・他の部が準備してきた議案をここだけで反対はできないし。
・ああ、いつ終わるんだ。
・こんな会議なら俺がいなくても同じだから、遅刻しても良かったかな。ちょっとトイレに行って、電話でもしてこようかな。

会議は、議題について判断して結論を出すことが目的です。
この最終目的を実現するには、どうすれば良いのかを考える必要が有ります。
日本の伝統的な会議方法は、聖徳太子の17条憲法の精神「和をもって尊しとなす」を曲解するあまり、ダラダラと時間を取られる会議が多いと感じていました。

私が4年前から宮城会で実施している会議の方法を以下に紹介します。

1.会議は開始時刻だけでなく、終了時刻も宣言する
 開始時刻だけでなく終了時刻を宣言することにより、拘束時間がハッキリし、その後の予定が入れられます。いつ終わるか分からないから、その前に仕事を入れたくなり、遅刻者が増えます。
「遅刻者がいなければ確実に終了時刻が守れる」との共通理解があれば、遅刻者は無くなるはずです。
 もちろん、会議終了予定時刻が延長になりそうなことが有ります。
その時でも、できるだけ終了時刻を守る努力をし、それでも「建設的な」議論が尽きなければ、再度参加者の了解を得て、終了時刻を再宣言します。

2.途中休憩時刻も予告して、それをできるだけ守る
 会議中見られる光景として、参加者が携帯電話で中座したり、トイレで中座したりすることがあります。これも途中「何時ごろに休憩を入れる」と最初から宣言すると、参加者もそれまで待てます。いつ休憩になるか分からないから、中座したくなるのです。
宮城では基本的に1時間に1度の休憩を入れています。このインターバルなら携帯電話やトイレは我慢できるはずです。
 そのかわり余程のことが無い限り中座は認めません。会議では参加者全員がいないと議論はできませんので。

3.資料はできるだけ事前に配布する
 会議は勉強する場でもなく、ダラダラつぶやく場でもないのです。会員のために決断をする場所です。
 資料はできるだけ事前に配布し、参加者は当然に目を通し、会議に参加するときには、既に意見を持って会議に参加してもらいます。
  宮城でもなかなか間に合わないことがあるのですが、どうしても当日配布せざるを得ない場合には、その提案者は配布しながら丁寧な解説を一緒にすべきです。一番大切なことは採決の前に理解です。

4.議論よりもまず報告に力を入れ、共通理解のベースをつくる
 議論がまったくかみ合わないときは、意見が違うのではなく、共通理解のベースが違っているのです。
 普段から私たち土地家屋調査士周辺の状況や社会経済の状況などに気を配っておいて、理解のベースを同じにして、はじめて同じ土俵で議論ができるのです。議論が長引くとすれば、議題によるとは思いますが、ある意味参加者同士の勉強が足りないのかも知れません。
 私が会長に就任した最初の1年間の会議の冒頭では、たくさんの時間を戴きました。
30分以上、当日の会議に必要な基礎知識である資格周辺事情や日調連の方向性など、研修会のように会議の冒頭で説明しました。最近は理事の皆さんが理解されたので、この説明はしなくて済むようになりました。
 同じ理由で、私が主催する会議では、参加各人の報告事項に力を入れています。
よく「報告事項は資料を見てください」と処理されることも多いようですが、それは間違いです。私は「報告はしっかりと、しかも背景まで含めて報告(解説)するように」と、報告者にはお願いしています。つまり「何をしたか」「何をしたいのか」だけの報告ではなくて、「何故そう考えたのか」まで報告を求めます。
 共通理解のベースが一致していれば、大抵の議題で建設的な反対意見は出ても、不毛な議論にはならないはずです。土地家屋調査士会の議題は、参加者が基本的な勉強していれば答えはだいたい決まるはずです。
 場合によっては、会議と別に「役員研修会」を一度開催しても良いと思います。
その後の会議が早く終わるなら、理解する日を一日入れても、皆さんの為になると思います。

5.議題は「○○について」ではなく「○○をこのように処理する件」と提案する
 議題の提出の仕方だけでも会議の段取や内容が変わります。
「○○について」という提案だと、ダラダラと関係ない話題にもなりがちです。
会議ではなく、なんらかの勉強会ならそれも意義が有りますが、会議は何かを決める場です。
 提案者は「○○をこのように処理したい」という意思を明確にして、皆さんの意見を聴取すべきです。

6.議事録は会議中に作成し、会議終了時に参加者に内容を確認する
 議事録がいつまでもできてこない組織があります。
 そんな組織では、会議で決まったはずなのに、いつの間にか覆されたということも聞きます。会議の基本は、会議が終わる前に何が決まったか参加者で内容を確認することです。
 宮城会の常任理事会では会議中に議事録を作成しています。その入力を会議中にリアルタイムにプロジェクタで映しています。会議しながら内容をチェックすることもあります。
 議事録の最終版は後日としても、基本的な議事録は会議終了と同時にできあがっています。