2013年4月30日火曜日

「土地家屋調査士は法律家と言えるのか?」に答える

これも先日の茨城青年土地家屋調査士会の研修会での質問です。
私個人の考え方で答えてみます。

「土地家屋調査士は法律家と言えるのか?」

「法律家」という定義は様々だと思います。
狭義の解釈では裁判官・検察官・弁護士の法曹三者と法学者でしょうか。また広義では、司法書士や土地家屋調査士など法律に関する手続の専門家も含むこともあるでしょう。

質問者はどんな気持ちで質問しているのでしょうか。「法律家」と言って欲しいのでしょうか。それとも「こんな研修レベルでは、法律家と言えないぞ」という警告を発したいのでしょうか。どちらにしても法律家を強く意識している質問でしょう。

土地家屋調査士は、表示に関する登記や境界問題などの専門分野においては、他のどの資格者よりも関係法律に精通していなければなりません。そしてその専門分野は筆界特定やADRなどをはじめ少しずつ拡大されていますので、土地家屋調査士は一生をかけて常に研鑽していなければなりません。

また反面、土地家屋調査士は測量技術者の側面も持っています。
この技術分野でも日々技術革新がなされ、我々が関与する地籍情報についても地理空間情報の中でグローバルな捉え方をされています。

土地家屋調査士は法律家の側面もあるし、技術者の側面もあるはずです。その技術を持ってはじめて専門分野の法律判断ができる特殊な仕事です。
どうも法律分野から土地家屋調査士になった人は法律家にこだわり、測量分野から土地家屋調査士になった人は技術者にこだわっているように見えます。
どちらにも精通して始めて土地家屋調査士です。

法律家にこだわる人は、そう呼ばれることによって何らかの権威付けが欲しいのでしょうか。それなら司法試験でも受けたら良いと思います。我々土地家屋調査士は専門家として、もっとやることがたくさん有ると思います。
土地家屋調査士はその専門分野の研鑽を続けている限り、他の資格者とはまったく違う位置にいます。そこにプライドを持つべきだと思っています。

「土地家屋調査士は土地家屋調査士である」
そう思います。