2012年9月2日日曜日

鹿児島の講演会で

先週末、鹿児島県公共嘱託登記土地家屋調査士協会主催の講演会に講師でお伺いしました。テーマは防災です。
やはり土地家屋調査士という専門家が災害の前後に何ができるかを考える講演会でした。

火山研究で有名な京都大学井口正人教授の講演とカップリングという恐縮な場でした。
井口教授は、30年も鹿児島に生活拠点を移動して、桜島研究をされています。
その井口教授が「桜島の過去の大噴火に学ぶ」というテーマでお話しになりました。
今回初めて講演を聴きましたが、すばらしい講演でした。
科学者としての筋が通っていて、その上素人にもとても分かりやすくお話しされていたことに感心しました。



ちなみに桜島の火山活動の調査で鹿児島の土地家屋調査士が定点観測のお手伝いをしているそうです。とても公益的で良い活動だと思います。

さて、私のテーマは「東日本大震災〜被災地からの報告」というものです。
これは東日本大震災における被災地の専門家としての発信です。
大震災で東北に当時何が起こって、今どうなっているのか?
宮城県土地家屋調査士会は、そのとき何を判断基準に、どう動いたのか?
大震災や大津波による被災で土地、建物、区分建物はどうなったのか?その変動に関する法的な考え方、手続きはどうなっているのか?

そして今から個人として、専門家として、組織として何ができるか、これだけはしておいて欲しいということをお伝えしました。

防災については、このブログで何回も書いているように、知識だけでなく、明日来るかもしれないという前提でシミュレーションをしておくことです。
各々の地域で被災したら何が起こりそうか。
震災はそれぞれ違います。
阪神淡路大震災と東日本大震災では、被災状況がまったく違います。
桜島火山噴火も含めて、今後起きるだろう大災害もまったく違う状況が考えられるでしょう。
そのとき個人として、専門家として、何が困るか。イマジネーションを働かせてください。一度でも想定しておくことが、家族や仲間を守ることに繋がります。

以下の写真は井口教授の講演を聴く為に、事前に桜島を下見した時の写真です。
大正3年の桜島大噴火で高さ3mの腹五社神社の鳥居が、笠木だけ残して埋まってしまったところです。この猛威を後世に伝える為に残したそうです。
こういったものをたくさん見ることで、イマジネーションが現実的になっていきます。