2012年8月22日水曜日

専門家は他人のために存在するのです


昨日のブログ「大阪市の文楽補助金削減問題を見て感じたこと」に、Masaaki Matsuuchiさんからコメントを戴きました。
コメントに対するお返事が長くなりそうなので、ここでお返事致します。

Masaaki Matsuuchiさん

最近コメントありがとうございます。
私のブログにも何か反応があると書いてて励みになります。
ここでは、Matsuuchiさんにだけでなく、他の読んでくださる方々も含めて、お返事をさせて戴きます。

Matsuuchiさんの中学校時代の文楽鑑賞の話、興味深く読ませていただきました。
英語教師の話すこと、良く分かります。

さて、Matuuchiさんがおっしゃる「士業者も会社員も、生き残る道を模索しなければ、容赦なく「無用論」にさらされる」の部分ですが、本当にそうだと思います。
また言い方を変えれば、「無用論にさらされそうな資格だから、生き残ることができない」のかも知れません。

「土地家屋調査士が生き残る」ということが目的では駄目なのです。「土地家屋調査士に生き残ってもらわないと困る」と国民が言う専門家でなければならないと思っています。
この違いがとても重要です。

土地家屋調査士は、過去も現在も国民に必要な存在だと信じています。そして国民に必要な専門性は時代によって変わります。我々も伝統的なノウハウだけでは、これからは難しいでしょう。

何しろ国の枠組みが変わり始めて既に10年以上経ちます。
地理空間情報に関する国内外の環境もすっかり変わっています。
また昨年の東日本大震災を経て、この変化はより加速するはずです。

くどいですが、身に付けるべきノウハウは「我々が生き残るためのノウハウ」ではありません。
その時代に応じて「国民の皆さんのお役に立ち続けるノウハウ」であるべきで、それが結果的に我々が生き残ることができるノウハウになると思います。
今そのノウハウを持っていないのは当たり前です。未来のノウハウですから。
でもそのノウハウは我々専門家が身に付けなければなりません。

また、ついでに余計なことを書かせて戴きます。
全国の皆さん、
勲章を目指して役員をやっている人が、全国や中央にまだ残っていませんか。
まだ少しいるのならこの業界は駄目でしょうね。その役員は自分個人のためにやっているのですから、任期の内はあまり余計なことをしたくないのです。何しろ「しない言い訳」は「経費削減している」などといくらでもできる訳ですから。
土地家屋調査士業界よりも自分の為に役員をやっている人は、当然国民のことは二の次ですね。それではノウハウの蓄積などできません。そんなことをやっている内に、業界は時代に遅れてしまいます。

ぬるま湯に浸かっているうちはまだ良いのです。ぬるま湯は間もなく冷めてしまいます。
そして風邪を引くのです。風邪をこじらせて肺炎になるかも知れません。

専門家ですから、皆で本気で動きましょう。
すべての専門家は他人のために存在するのですから。