2012年2月26日日曜日

「震災」地籍シンポジウム

もうすぐあの3、11から1年経ちます。
被災地はもちろん、全国で「震災」に関するイベントが開催されてきました。

土地家屋調査士の世界でも、愛知会、神奈川会、滋賀会、北海道ブロックと、シンポジウムや公開講座が続きます。今年のテーマはいずれも「震災」です。
また会員向けの研修会として「震災」を取り上げてくださった土地家屋調査士会も多数有ります。

私たち被災地からもお招き戴き、震災時の様々なご支援に対する御礼を言う機会、また被災地責任として、被災地で無ければ分からなかったことをお伝えする機会を与えて戴き、とても感謝しております。

各々の企画で若干のニュアンスの違いは有りますが、各々東日本大震災を取り上げて、現地の被災状況と調査士会としての対応、地籍における問題点、そして専門家としての対応方法などが取り上げられています。
全国各地、今何が起きてもおかしくない状況です。東日本のあの惨状が他人事で無いと思うからでしょう。

実はこの一年、振り返ってみると、被災地ではここまでは生きるか死ぬかの問題で有り、その時には人々の関心には「地籍」はほとんど何も無いのです。
地籍としてはこれからが問題であり、専門家としてはここからが正念場だと思います。復興の方針が決まれは、やっと土地の境界等に眼が向き始めるのですから。

私たちには、土地に関して、建物に関して、区分建物に関して、既に見えている問題があります。地図に関して、地籍に関しても提言したいことが有ります。
突き詰めれば私たちの専門分野では無いけれど、おそらく総合的に地籍を見ている私たちでなければ気がつかないこれからの問題が存在します。
まだ問題が起こる前に、これらの問題とその解決のための提言を世間にお伝えして、事前に解決を図ることがとても大切だと思うのです。

各地で開催されたシンポジウムの担当者の皆さんは、事前の準備に大変ご苦労されたことを、私はよく知っています。おそらく今、終わってホッとされている方も多いことでしょう。
でも、各地で開催されるシンポジウムを、一度のイベントに終わらせないで、ここから専門家としての新たな役割が始まるという位置づけにしないと、シンポジウムの意味が無いと思います。

我々も被災地として、気付いたこと考えたことを発信し続けたいと思っています。全国の皆さんのご理解とご協力をお願い致します。