2011年1月9日日曜日

ディパーテッド

実は録画はしていましたが、観る気がしない映画でした。
香港映画の「インファナル・アフェア」のハリウッド版リメイクです。
マフィアに潜入した覆面警察官と、警察に潜入したマフィアの男の運命と、その葛藤を描いた映画です。「えっ、そう来るの?」という先の読めない筋でインパクトがありました。

あの評価の高い映画をわざわざリメイクして、しかもあのディカプリオで、どうも気が進みません。
でもアカデミー賞の数部門を取ったらしいし、もちろん原作を気に入っていましたので、「どうアレンジしたのだろうか」という興味から、「ちょっと観ても良いか」程度は嘘ではなかったのですが。とにかく、この年末年始に観た映画の一つでした。

私は映画のリメイクはあまり好きでは有りません。
正確に言うと、私は音楽でも絵画でも映画でも原作にインスパイヤされてできた新しい作品については、かなり興味があります。
過去あらゆるジャンルで成功例があります。オマージュでもパロディであっても、原作を凌ぐ芸術性をもった作品は古今東西枚挙の暇がありません。
だからこそ、他のジャンルに比べてあまりにも安易な映画のそれが気になるのです。
「そのレベルなら、原作を広く紹介すれば良いのに」と思うことが多いのです。

このブログでもリメイクについては、「座頭市」「サイドウェイズ」などで、コメントさせて戴きました。
この映画はどうかと言うと、原作から結構離れて、アメリカの事情に合わせた話に変えていました。これはこれでリメイクの必然性は持っています。
アメリカ版のこの「ディパーテッド」では、まずアイリッシュマフィアを設定し、FBIの存在をベースにおいてアメリカ色を出しています。

それに今頃ですが、ディカプリオを見直しました。私は彼をあまり好きではなかったのですが、結構こういう役がやれるんだと再認識しました。
もちろんジャック・ニコルソンは相変わらずの存在感は最高ですし、マット・デイモンも期待どおりでした。

まあいろいろ評判も良かった「ディパーテッド」ですが、私はやはり原作が好きです。原作の精神性が同じ東洋人としての私にフィットしているからかも知れませんが、ハリウッド版はどうも、どんでん返し的な筋だけに頼っているように見えます。
もちろん、多くの人はハリウッド版を先に見ているでしょう。その人達は原作をどう見るでしょうか。ハリウッド版が良いと言うかも知れませんね。
先に見た印象は強いです。私も順番が違ったら案外そうかも知れません。