2010年10月16日土曜日

ボールペンの回転数

最近のボールペンは本当に良くなったと感じています。
まず「かすれ」や「ボタ落ち」がほとんど無くなりました。

実は私、ボールペンが嫌いで、土地家屋調査士の受験のとき以外は、ほとんど使っていませんでした。ボールペンを使うと必ず紙が汚れるのです。またボールペンのインクは粘度が必要なので発色が美しくなかったのです。それが嫌でした。
気に入ったペンも持っていたのですが、清書にはあまり使っていませんでした。

その後、2年ほど前からボールペンを使い始めて、本当に良くなったと実感しています。

今、試しにA4版の紙の対角線方向に、私愛用のゼブラのSARASA 0.5mm芯を入れたペンで一気に線を引いてみました。1秒で対角線36cm程度でしょうか。紙が大きければもう少し距離が行くのでしょうけれど。この程度ではまったく「かすれ」が有りません。

ボールとボール保持部分(カシメ)との狭い隙間からインクが流れる訳ですが、このスピードで回転するボールにその隙間から途切れなくインクが流れ、紙に途切れなく転写されていくのですから凄いものです。かと言って、流れすぎて紙にインクが落ちることも無いのです。

文具王高畑氏が言っていたので、ちょっと、回転数を計算してみました。
直径0.5mmのボールが36cmを移動するのに1秒とすれば、
360mm/0.5π=229 rps(回転/秒)ですね。
これは分に直すと 13,751 rpm (回転/分)です。
タコメーターで考えればレッドゾーンどころではなく、これは市販車を越えてF1に近い回転数です。確かにこのF1並のスピードを支えている狭い隙間からのインク供給の技術は、もの凄いものです。

ボールやカシメの造形精度が高くなったことに併せて、インクの質の向上には目を見張るものが有ります。このインクについては、書きたいことがたくさん有るので、別の日にまた書きます。

ボールペンを百円程度で買うのは申し訳ないような技術ですよ。