2010年9月19日日曜日

軍艦船底の牡蠣殻〜坂の上の雲

7月初めに愛媛会に講師でお伺いしました。その際に愛媛にはなかなか行けるところじゃないと思い「坂の上の雲ミュージアム」に行って感激したのは以前ブログで書きました

と言いながら、その二ヶ月後に再度愛媛に伺うことになりました。
今回は観光の時間はまったく取れず、まっすぐ会場に行って、まっすぐ帰って来たのですが。

あれから、私の中では「坂の上の雲」ブームが続いておりました。改めて読み直すと、学生の頃読んだのとはまったく別の印象も得られます。やはり読む時の年齢や置かれた環境で、書かれた言葉の捉え方が変わるのですね。

たとえば軍艦というものはいちど遠洋航海に出て帰ってくると、船底にかきがら(牡蠣殻)がいっぱいくっついて船あしがうんとおちる。人間も同じで、経験は必要じゃが、経験によってふえる智恵とおなじ分量だけのかきがらが頭につく。智慧だけ採ってかきがらを捨てるということは人間にとって大切なことじゃが、老人になればなるほどこれができぬ。

これは秋山真之が正岡子規に話した言葉です。
土地家屋調査士制度制定60周年の年に改めて読むと、味わいが違いました。