2010年8月22日日曜日

黄金の都 シカン

南米の文明には数々の魅惑的な謎が有り、私は子供の頃から、それらについて書かれた本を読み漁っていました。
私の子供の頃から今に至るまでのミーハー的冒険心を捉えて離さない様々な謎と言えば、
ナスカの地上絵(ペルー)、イースター島のモアイ(チリ)、マチュピチュ(ペルー)・・・
一度実際に見たいものです。

さてインカ帝国の前、9世紀中期から14世紀末にペルー北部に「シカン」という都市国家が有りました。
その展示が仙台市博物館で「黄金の都シカン」として特別開催されていました。
私はずっと見に行きたかったのですが、なかなか時間が取れませんでした。結局、7月2日から開催されていたこの特別展に、最終日の本日やっと行って来ました。

シカンは、大きな経済力と、周辺の異民族との交流を持つ政治力と、高度な冶金技術を持った文化でしたが、つい最近まで誰にも知られていない文化でした。
当時インカ文明の一部であるとされていた発掘物は別の文明に分類されるべきとして、30年もの長い間、このシカン文化を調査発掘して、ついに結果をだしたのが日本人の島田泉氏(現南イリノイ大学教授)でした。
日本人がペルーに渡り、調査しようとすると最初は盗掘者と間違われたり、理解されずに苦労したようですが、結果として世界の歴史に残る大発見をしたのです。
ちなみに「シカン(月の神殿、月の家)」という名前を付けたのも島田氏とのことでした。

考古学はここを掘れば何か出てくると保証されている訳ではないところにチャレンジするのですから、報われない事も多いでしょう。
この島田氏の偉大な業績は、運の良さに助けられた事も有るでしょうが、
「動き出して信念を持って継続しなければ、その運にも出会えない」
ことに気がつかなければなりませんね。

そんなことを考えながら、謎に満ちたシカンの美しい工芸品の数々を堪能してきました。