2010年7月4日日曜日

坂の上にたなびく一筋の雲

「この坂道を登り詰めていけば、やがてあの雲に手が届く」

「坂の上の雲」司馬遼太郎の代表作品です。皆さんもお読みになった作品でしょうし、3年間に渡るNHKのスペシャルドラマになったのでご覧になった方も多いでしょう。

明治と言う時代、封建社会の終焉とともに唐突にすべての人間に可能性が開かれた時代。
封建という押し付けられた国家から自らが参加できる国家になり、若者は国家の未来を皆で真剣に議論し、「個が自律してはじめて国家も自律できる」という溢れんばかりの理想で走り回った時代。

明治と言う時代、日本はなんて貧乏で、そして真剣で、エネルギッシュで、理想に燃えていたのでしょうか。


この週末、愛媛会の研修会の講師にお招き戴きました。

私にとっては、なかなか行けない愛媛なので「坂の上の雲ミュージアム」に行って来ました。期待以上に素晴らしい展示でした。

建築も安藤忠雄氏の設計だったんですね。周囲の環境との融合と、内部の展示とその導線を見事に具現化された建物でした。事前に建物に対する予備知識はまったく無かったので、建物だけでも堪能できました。

展示内容も司馬の同小説と同じで恣意的な展示ではなく、敢えて事実を淡々と積み重ねるようなものでしたので、なお一層入り込めました。

秋山兄弟と子規を描いて当時の時代と日本を描き出そうとしているのですが、それがよく分かる展示でした。
正岡子規の死ぬ直前に新聞社に宛てた手紙などでは涙が出ました。

「平成に生きる私たちは坂道を登る覚悟が有るのだろうか。それ以前に、雲が見えているのだろうか。」そんなことを考えた松山訪問でした。